コーディング規約とは?必要性や、メリットやデメリット、定めるべき内容を紹介
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コーディング規約とは?必要性や、メリットやデメリット、定めるべき内容を紹介
アンドエンジニア編集部
2024.02.13
この記事でわかること
コーディング規約とはエンジニアが守るべきルールのことである
コーディング規約を作成することで保守性や可読性・生産性の維持向上が見込まれる
コーディング規約はプロジェクトや使用言語・技術の進化に合わせて内容を見直す

コーディング規約とは?

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コーディング規約とは、システム開発の際にプログラマーがコーディングを行うために決められたルールのことを指します。コーディング規約の大きな目的は、品質や保守性の確保といわれています。

ここでは、コーディング規約を定める目的やメリットデメリットなどコーディング規約について詳しく説明していきます。

コーディング規約とは

コーディング規約とは多くのプログラマーが携わるシステム開発のプロジェクト案件において、品質を均質にするために定められるルールのことです。

コーディング規約の内容は命名規則や禁止事項など多岐に渡り、プロジェクトの特性や企業の文化などにより変わることがあります。

コーディング規約は会社やチームで定められていることもあれば、プロジェクト毎に定められていることもあります。

コーディング規約を作成する目的

コーディング規約は保守性や可読性を確保することを目的として定められます。保守性と可読性はプログラミングを行う際に、品質を高めるためにも必要でしょう。

コーディング規約を遵守することで、ソースコードの読解や分析の効率の向上が期待できます。

プロジェクトの規模や大きさによって異なるところはありますが、プログラミングは複数人で行われることが多くあります。

また個人でプログラミングを行う場合でも、発注者にプログラムのソースコードを納品する際に自身が作成したソースコードを読まれる可能性があります。

この際自身の独自ルールでプログラミングを行ってしまうと、他人がソースコードを確認したときに読解や分析するまでに多くの時間を要することになります。

ソースコードの読解や分析の効率が下がることにより、保守を行う際などソースコードを修正するときに時間がかかります。

これを回避するために多くのシステム開発プロジェクトでは、コーディング規約を制定します。コーディング規約があることで開発者たちは共通したルールの中で効率よくソースコードを作成し、プログラムを正常に保ちやすくなるのです。

コーディング規約を作成するメリット

コーディング規約のメリットは、コーディングを書く際の共通のルールを定めておくことによりどのメンバーでも一定の質を有するコードを作成できる・バグなどの発生源となる可能性のあるコーディングの防止・インデントやコメントの基準を決めて保守性の高さを求めることなどが挙げられます。

一般的にプロジェクトの規模が大きくなるにしたがい、コーディング規約の内容は制限的となります。

理由としてはプロジェクトの規模が大きくなるとプロジェクトに参加する人数やプログラミングを行う人数が増えること、各々のプログラミングスキルにバラつきがあることがあげられます。

もしプログラミングのコーディングを自由にすると、品質低下や保守性悪化のリスクが高まります。一方でコーディング規約を丁寧に作成することによって、一定の品質の担保・保守性・生産性を向上させることができるでしょう。

またシステム開発後に機能の変更や追加が行われたとしても、コーディング規約があることで保守・運用を効率よく行うことができるでしょう。

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コーディング規約を作成するデメリット

コーディング規約を定めることは品質・生産性・保守性の面においてプラスに働くことを紹介しました。一方でコーディング規約の制定にはデメリットもあります。

コーディング規約によって使える文法を制限することになるため、スキルの高いプログラマーの生産性を下げる場合があります。

また過去に作成されたプログラムとの互換性を追求することから、新しい機能の追加を制限することもあるでしょう。またIT技術の発展は著しいため、コーディング規約のメンテナンスも頻繁に行っていかなくてはなりません。

新しい技術を取り入れるのが困難である場合があることや定期的にメンテナンス作業を行わないといけないことは、ときにエンジニアに大きな負荷をかけることになるでしょう。

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コーディング規約の内容

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ここまでコーディング規約について詳しく説明してきました。ここからはコーディング規約で定められることや定めるべきことについて具体的に紹介していきます。

コーディング規約の内容はプロジェクトの規模・特性・プログラマーのスキル・使用する言語などによって変わる場合も多いので、注意が必要です。

コーディング規約で定められるもの

それでは一般的にコーディング規約に書かれている内容について紹介していきましょう。

多くのコーディング規約では目的・プロジェクト構成・命名規則・コーディングスタイル・リソース・禁止事項・制限事項・推奨事項の8つについて定められています。1つずつ解説していくので目を通してみてください。

ここでは8つ紹介していますが、コーディング規約に定められるものはこれらだけではない場合もあるので注意しましょう。

1.目的 目的ではコーディング規約の適用範囲・必要性・メリットなどについて記載します。

2.プロジェクト構成 プロジェクトの構成は一見コーディング規約として必要ないように思えますが、プログラムソースの冒頭にコメントとして入れる場合があります。

プロジェクトの名称やメタ情報の指定方法・フォルダの構成方法などを記載します。

3.命名規則 命名規則では、変数・定数・メソッド・クラスなどの名付け方の基準を定めます。例えば変数名の先頭は小文字・クラス名の先頭は大文字のようにするなどが挙げられます。

4.コーディングスタイル コーディングスタイルではインデントの必要性・コメントの位置などを定めます。

5.リソース リソースの規約では必要とするリソースの利用に関する説明や制限事項などを定めます。例えばエラーメッセージなどはハードコーディングを行わず、リソースファイルのインデックスを指定する場合もあります。

なおハードコーディングとは、本来プログラムとして記載するべきではないリソースを直接ソースコードの中に埋め込むことを指します。

6.禁止事項 禁止事項では、現在では利用することが少ないプログラミングの文法などを禁止するように定めます。

すべて禁止するのではなく、例外も決めておく場合も多いでしょう。さらに禁止する理由を書くこともプログラマーが納得するためには重要です。

7.制限事項 制限事項では推奨されていない機能やコーディング方法などを定めます。また制限する条件を明示することも重要です。

8.推奨事項 推奨事項では、おすすめされるコーディング方法を定めます。また同様の機能として利用できるクラスや関数がある場合、どちらを推奨するかを定義する場合もあります。

9.その他 コーディング方法に直接関係なくともプログラミング作業やプロジェクトの進行をつつがなく行うために必要なルールを定めます。コーディング規約には含まれないこともありますが、決めておくべき内容であることに変わりはありません。

コーディング規約の作成について

ここでは実際にコーディング規約を作成していくにあたり知っておいた方が良いことについて紹介していきます。プログラムを作る際のルールですから、注意点やポイントなどをしっかり把握しておくことが大切です。

コーディング規約を作成する際の注意点

ここではコーディング規約を作成する際の注意点を4つ紹介します。下記では取り上げませんでしたが、コーディング規約においては例外を認める柔軟性をもつことも大切です。

1.簡潔でわかりやすくする コーディング規約は、簡潔にわかりやすく作成することが重要です。例えば、プロジェクトメンバーのスキルが高い場合は、必要最低限の内容である方が生産性が向上するでしょう。

一方、スキルが低いメンバーが多い場合はわかりやすく丁寧にコーディング規約を作成する必要があります。

禁止事項や制限事項などは、理由も書いておくことでプログラマーの納得にもつながります。

2.プロジェクトに応じて内容を見直す コーディング規約は、プロジェクトに合わせて適切に作成しましょう。例えばプロジェクトメンバーのスキルが高い場合は、コーディング規約の内容は必要最低限の方が良いです。

スキルを持っている人材の個性を殺してしまうと、逆に生産性が落ちてしまう可能性もあるかもしれません。

3.テスト工程を考慮する システム開発の工程の順番として、プログラミングが完了したらテスト工程に移ります。そのためテスト工程を考慮してプログラミングを行わなければなりません。テスト工程はプロジェクトにおいて多くの工数を占める場合が多いでしょう。

例えばエラーが検出された場合は手戻りが行われ、コストも膨れ上がります。テスト工数の削減もプロジェクトを成功させるためには非常に重要です。

したがって、コーディング規約を作成する場合、テストのしやすさや、エラーの検出のしやすさなどテスト工程についてできる範囲で考慮しましょう。

テストエンジニアの仕事や必要なスキル、テスターとの違いや将来性

4.最新の機能や使用する言語に合わせて内容を更新する IT技術は日々進化しています。そして技術が進歩するに従い新しい機能が増えていきます。

コーディング規約を見直さずに最新技術を取り入れようとした場合に不具合の発生などが懸念されます。

そのためコーディング規約は都度見直しを行い、必要に応じて内容を更新していく必要があります。

コーディング規約を作成する人に求められるもの

コーディング規約を作成する人には高度なスキルや知識・経験が求められます。プロジェクトにおいて利用する言語や環境に対して精通している必要があるためです。

例えばコーディング規約に「ヌケ」や「モレ」があると開発効率が落ちる可能性やプロジェクトの進行に支障をきたす可能性があります。

一方で禁止事項や制限事項が多いとプロジェクトメンバーのストレスになる可能性などがあります。

このようなことからコーディング規約の作成に携わるのは、さまざまなプロジェクト経験のある人やプログラミングスキルに長けている人などであることが望ましいです。

コーディング規約は常に改善していく必要がある

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ここまでコーディング規約の詳細・内容・メリット・デメリット・コーディング規約を作成する上での注意点について紹介してきました。

コーディング規約とはプロジェクトに携わるエンジニアやプログラマーが守るべきルールのことを指します。会社やチームごとに定められていることやプロジェクトごとに定められている場合もあります。

コーディング規約制定の目的は保守性や可読性の確保と、品質を担保することです。そのため制定したコーディング規約は技術の進歩や使用する言語・プロジェクトごとなどに合わせて見直しを行い、内容を更新していくことが大切です。

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